コメダが多いブログ

コメダ、高校野球、ジョギングのページ

シンガポールストーリー7

<セントーサ>



セントーサ島。シンガポール一番の観光地。
そこに沙里と来ていた。
「ここ何度目だろ?」
と沙里。
「ここしかないから・・」*1
「ここに来ると、私のような観光客でもわかることがある。」
「何?」
「反日感情」
「なるほど、占領の記念館があるからね。」
「そう、街中では一切見かけない。」*3
「でも、忘れちゃいけないよね。別に何も知らない『平和団体』の意見に同意してるわけじゃないけどさ。」
「そう。」
「それに駐在して思ったことがある。」
「何?」
「日本人って今でも奢ってるって。」
「そう?」
「うん、日本人駐在員は何やかんや言ってもローカル見下してる。」
「そうかあ・・」
「あまり表には出ないけど、セクハラ紛いのことも多い。」*4
言っている自分がフェリシアに対しそうではないか!
と少し、少し、反省したが、
「でも、そう感じている田無さんのような駐在員がいるだけでも、日本人も少しは進歩したんじゃない?」
と沙里が言ってくれて少しほっとした。
「さーて、帰ろうか?」


いつもは車だが、今日は飲むこともあってタクシーで来た。*5
「でもタクシー捕まるかなあ・・」
「ねえ、たまにはバスで帰ってみない?」
「バスかあ・・乗ったことないしなあ・・」*6
と、バスに乗ったはいいが・・どうやら、行き先間違えたようで、途中で降りる羽目に。
しかたがないのでタクシー待ったが来ない。そこにトライショー(人力車)が来た。
「こんなとこにも来るんだ。」
「いいわね。」
「乗る?」
「う、うん」
「でも、タクシーいつ来るかわからないよ。」
「いいの。何か、田無さんとこうして、こういうところで待ってる。それも何だか・・・いい・・」



*1 今でこそ、シンガポールフライヤー、ナイトサファリ等いろいろできたが・・ここ数年は米大統領、北朝鮮主席の会談でも有名になりました。
*2 シンガポールは現首相の父親であり初代首相のリークワンユーのルックイースト政策(日本に見習う政策)の影響もあり、
過去より現在を重視する政策を続けてきた。しかし、最近では「戦争記念館」が街中にできるなど、また状況も変わりつつある。
*3 実際は記念塔等がその当時からありましたが。
*4 ネット小説だから書けることだが、海外では、まだまだ買春をしていて、それを全く悪いこととは思っていない日本人駐在員は数多くいる。
*5 日本ほど飲酒運転に対する取締りは厳しくないが。
*6 日本人駐在員は、現地の庶民の乗り物には治安の関係もあって、発展途上国ほど乗らない。因みにシンガポールは発展途上国ではなく、今では一人当たりの国民所得は日本より上です。